姫神の来歴: 古代史を覆す国つ神の系図
「夢の中で、わたしは、なぜか、古代日本の衣装を着て立っている。傍らには、おなじく古代日本の衣装をまとった男神(おがみ)がひとり立っていて、少し離れて、女神がひとりしゃがみこんでいる。そこは小川のほとりで、木立が見える。新緑がまぶしく、春のようだ。その男神は、 わたしの兄らしく、わたしは兄に向かって、激しい口調で言っている。『あの人は兄上の妃になるはずの人だったのに、寝取られてしまった。この国の正当な統 治者は、わたしたちのほうなのに。いまに、あの者たちを追い落としてやる。』激しい怒りの感情とともに目を覚ますと、「姫神の来歴」という声が聞こえた。」(P.6)

ある時こんな不思議な夢を見たというところから、2013年に急逝された、高山貴久子さんの
「姫神の来歴 ~古代史を覆す国神の系図~」ははじまります 。

この夢を見たことで記紀を読みはじめ、記紀の書かれることに疑問を持ったことから、古代史の探究がはじまり、10年にも渡る歳月を経て探究され出版されたそうですが、しかしながら高山さんご自身は、出版されるのを見る前にご病気で亡くなられたそうです。
その事実もまた神々が著書をつかわせしめて世に真実のエッセンスを投げかけたのではないだろうか?と思わせます。

前半では出雲神話の櫛名田姫(くしなだひめ)にスポットをあて、櫛名田姫と姫が嫁いだスサノオとは一体誰だったのかということを探ってゆきます。後半では天の岩戸神話の天照大御神の妹、丹生都姫(にうつひめ)をテーマに、前半で提示された説の更に突っ込んだ謎解きが行なわれます。
二人の姫神の来歴が、鮮やかに脳内で展開してゆく様は、華やかな推理小説や一つの絵巻物を読んでいるようでもあります。

詳細を語ってしまうと、ネタバレになってしまうのでw あまり話しませんが、著者の説はかなり大胆。
途中、んんん?って思うところもあり、これが真実か?と問われればそれはどうなのか確かめようがないけれども、文献だけでなく、実際に10年の歳月をかけ、神話の舞台を訪れ肌で感じ、導き出した答えというのは一読する価値はあると思います。

本の中で著者が言うように、『神々はたくさんの名前を持っている。』ということを考えれば、この著者が提示している名前すら飛び越え、古代にはこのようなことがあったということは想像できることだと思うのです。

記紀に葬られた女王たち、そして国津神の真実とは。
ヒノモトのこの国々では、古代どのようなことがあったのか?
しばし想いを馳せてみると、古代から受け継がれてきた神々の息吹を自分の内側にも感じることができると思います。

自説を振りかざす古代史本て、途中まで読んで、むずむずしてしまってw最後まで読めるものが結構少ないのですが、これは一気に読んでしまいました。
特に後半と、あとがきに魂の何かとリンクしたようで、涙がほろほろ。

私が趣味でゆる~く、ぼんやりやっている古代史探究、土地巡り、色んな土地を訪れるたびに、何の関係もないような場所と場所から何らかの繋がりがあるのではないかと思うような伝承が浮びあがってきたりします。
この「姫神の来歴」に書かれている、神々の変遷、土地がまさにそれとリンクしており、この本を手に取ったのも何かのご縁だな~と思うのでした。笑

それはともかく、独自の視線で 古代史の秘密に切り込んでいく、「姫神の来歴」本当におススメです^^
気になった方は是非読んでみてくださいネ。


Anna

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